November 11, 2007 メンテ&修理&小カスタム
エンジン修理
以前の練習走行でオーバーレブ→バルブサージング→バルブヒットとなりエンジンが壊れてしまったS様のR80レーサー。ハイカムの組み込みが終了したので、腰上の組み立てです。 写真は今回壊れたパーツ達。
純正の鉄製リテーナーまで割れていました。オリジナルのチタンリテーナーを組み込みます。
ダメージを負ったプッシュロッド。この車両にはマーレーのボアアップピストン&シリンダーが組み込まれており、シリンダーが短いのです(ピストンのピンハイトが純正より低いため)。なので、プッシュロッドも特製の短いものが組み込まれています。それが曲がってしまった・・・。R65とも、R100とも違う長さ。取り寄せる時間もないし、そもそも現在入手できるかも分からないので、R100用を旋盤加工で精密に短くし、先端部分を焼き嵌めで製作しました。
無事エンジン組み立て終了し、シェイクダウン。ハイカム&動弁系のチューンナップにより格段にパワーアップ。「ストレートが速くなったので、今までとブレーキやシフトのタイミングが変わってきて慣れが必要」とのこと。
ちなみに、参考までに、こういうトラブルを防ぐには・・・。エンジンを高回転まで回す場合、上まで回していくとノーマルの場合7000回転~8000回転くらいでバラバラっとエンジンがバラつく時があります。それがサージングといって、バルブの往復が正常でなくなった時。この時瞬時にアクセルを戻せば、経験的に大事にいたることはあまりありません。ですが、この状態を「かぶったかな?」等と勘違いしてよりアクセルを開けたりしてしまうと、バルブとピストンがぶつかってしまい、バルブが曲がったり、最悪今回のようにリフターやプッシュロッド等にまでダメージが及んでしまいます。回す時はエンジンからのメッセージに耳を澄ませることで壊すことを防げます。又、このサージングが起きる回転数をより上にする為には、バルブ回りの質量を減らすことと、バルブスプリングの強化が有効です。うちで作っているチタンリテーナーや強化バルブスプリングはこのためにあります。